老いて今過疎の村にて時に風時に日射しを友として生く
妻と共に生き来し年月数へつつ稲の穂に降る雨を手に受く
徳島県食品加工試験場の研究員を退いた後、妻と二人農に生きた著者。
一周忌の法要にと、家族によって編まれた第一歌集であり遺歌集である。
歌誌「水甕」掲載歌より妻と娘等が選歌、長女の娘・宇野香名子氏が装画を
次女の夫・永山俊一氏が装幀を担当し、家族の愛に満ちた歌集となった。
2016年10月刊。